あくとうぇいぶ
はらいたすの夜-1
「木村さん、コーヒー頼めますか?」
「はい、いいですよ」
木村さんはちょうど近くにいた釼持さんにも聞いてみた。
「釼持さんもどうです?」
「あ、はい。いただきます」
木村さんはコーヒーを入れに行くと、釼持さんが話し掛けてきた。
「ここはいいとこだよね、都会と違って空気がいいし」
「釼持さんはいつ頃こちらに来たんですか?」
「1、2年くらい前だね、こっちはいいところだけど、コンビニがないから困る なぁ。ウェブマネーが買えないんだよねぇ」
頭にハテナを浮かべていると、ドンドン話が進んでネットゲームをし始めたがよくわからず、木村さんが戻ってもその話しをしていた。
途中から適度に聞き流したが、わかったのはネットゲームにはまっていることと、相変わらず木村さんのコーヒーはおいしいと言うことだけだった。
ちなみに木村さんは、ぼくがコーヒーを受け取るとすぐさま逃げていた。

ピンポーン!
あれ?もうこんな時間か…
なんだか時間を浪費したような気しかしないが、北村君かと思い、ぼくは釼持さんの話しの途中で玄関へ向かった。

玄関には圭さんと木村さんがいた。
「どうしたんですか?」
「いや、チャイムは鳴ったと思って来たんだけど…空耳かな?」
「そんなはずないですよ、現にぼくも聞いているから、ここにいるんですし」
プーッ!
「……今、クラクション鳴りましたね……」
「ちょっと外見てみましょうか」
圭さんがドア開けた。
強烈に差し込む光に思わず目を背ける。
「うっ!なんだ!?」
そこに光と雪に照らされ、背中に刺さった包丁がきらめく北村君の姿があった。

「嘘だろ…」
ぼくは色々なことが信じらず、思わずつぶやいた。
まずひとつに警察が来れない。
圭さんが
「ウィスルに電話線をやられた」
と言っていたが、気が動転していたのだろう。
電話がダメなのなら直接警察にということで出掛けようとしたが、木村さんの車、圭さんの車、ぼくの車、北村君の車、全てのタイヤがやられていた。
つまり電話がつながらず警察は来れない、さらにここから逃げ出すこともできなかった。

そして最後に、死因は背中に刺されている包丁だと思っていたのだが、釼持さんが、
「主な外傷はないようだ、おそらく凍死だ。正式な解剖をしてみないとわからないが…」
と言い、背中の包丁のことを言うと
「お前何言ってるんだ?」
みたいな空気を出し、泣いている早紀に、
「気が動転しているんだね、少し部屋に戻って休もう」
と言われる始末。
言われるまま、部屋に戻ってきたのだった。

「ありがとう、もう大丈夫」
確かに早紀のすすり泣く声も大分落ち着いてきた。
もう大丈夫だろう。
それにしても何でこんなことが…
「ねぇ…」
「うん?」
「やっぱりあの事件が関係あるのかな…」
あの事件…身近な事件といえば一つしか浮かばない。
忌まわしい事件。
「いや、関係ない…絶対に関係ないよ!」
思い出したくも、思い出させたくもなかった。

急に黙ったぼくに、早紀は話し掛けてこなかった。
早紀自身も色々考えているんだろう。
なのでぼくは…

A.事件についてよく考えた
B.寝た
C.北村君をよく調べた
D.とりあえず服を脱ぐ



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