あくとうぇいぶ
はらいたすの夜 1-3
圭さんがずっと使ってた言葉
「ウィスル」
普通に考えるとウィルスの言い間違えなんだろうけど、さっきは
「ウィスルに電話線を切られた」
と言っていた。
ウィスルウィスルウィスル…あーダメだ、見当もつかない。
仕方ない、誰かに聞いてみることにしよう。
そう結論付けして、のぼせる前にお風呂から出ることにした。

ぼくはちょうど通り掛かった木村さんに聞くことにした。
「木村さん!!」
「どうしたんです?そんな大声で」
「あ、いや、すみません…聞きたいことがあって…」
知らない内に大声になっていたことに少し反省し、ぼくは本題に入った。
「あの、ウィスルってなんですか?」
木村さんは少し考える仕草をして、口を開いた。
「口外はしないでくれるかな?」
ぼくは大きく頷いて続きを待った。
「圭君は結構老けているように見えて、実は若くてね。
奥さんと双子の男の子で明るい四人の家庭を持ってたんだが…。
数年前の夏の暑い日に弟の和雄君が試合に行く途中に、急に飛び出してきたトラ ックから子供を助けようとして亡くなったんだ。
それから、今まで野球に興味のなかった兄の達雄君が、和雄君の夢だった野球を 頑張りだしてね…。
でもある日、その達雄君が野球に行ったきり帰ってこなくてね…。
警察に捜索依頼を出したんだが、三日後に遺体で見つかったんだよ。
死因は右足カカトからの出血多量だったかな…。
まぁ、それで元から体調の優れない奥さんもまいっちゃって。
ウィルスバツターとか色々手を尽くしたんだが、ウィルスバツター自体が大量の ウィルスやら新種やらにやられちゃったりして、奥さんも亡くなって…。
それからはずっと暇を見つけては新種のウィルス、通称「ウィスル」を研究して いるよ」
「そうだったんですか…こんな話しを思い出させてしまってすみませんでした」
「いやいや、それとこの事はくれぐれも口外しないでね」
「わかってます、ありがとうございました」
そう言うと木村さんはトイレに駆け込んで行った。
トイレに行きたいだなんて気がつかなかったけど、ぼくはちょっと悪いことした かななんて思った。
ん?でも、新種のウィルスって電話線切るのか?
そこはよくわからなかったが今度聞いてみることにしよう。


談話室に行ってみたが誰もいない。
あれ?もしかしてもう12時?
もうこんな時間か…
今日は色々あったからな…
さて、どうしよう。

A.ベッドに潜り込んだ
B.なんとなくノリツッコミをしてみる
C.釼持さんはどこだろう
D.早紀に夜這いをかける




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